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記帳は自分で大丈夫?税理士に相談すべきか見極める3つのサイン

会計ソフトに毎月コツコツ入力している。数字も一通り埋まっている。確定申告もなんとか自分で出した。それでも、ふとした瞬間に「これ、本当に合っているんだろうか」と不安になることはありませんか。

そして不安が募ると、「いっそ税理士に頼んだ方がいいのか」と迷い始める。でも、頼むほどのことなのかも分からない。自分で記帳しているフリーランスや個人事業主・小規模法人の経営者から、実際によく聞く本音です。

この不安は多くの場合「会計ソフトの使い方が分からない」という話ではありません。問題は、入力した数字が【正しい判断のうえで】入力されているかを、誰も確認してくれないことにあります。

会計ソフトは「入力された数字を集計する」こと自体は完璧にやってくれます。しかし、「あなたが入力したその判断が正しいか」については一切保証してくれません。

以下の3つに心当たりがあれば、それは記帳のやり方が間違っているのではなく、「判断を確認する相手がいない」サインかもしれません。

目次

サイン1:「これ、経費でいいんだっけ?」と毎回調べている

新しいPCを買った。月額のクラウドサービスやAPI利用料を払っている。自宅の一室を仕事場にしている。取引先と食事をした。そのたびに、「これは経費になるのか」「家事按分はどこまで認められるのか」「接待交際費か会議費か」を検索しているのではないでしょうか。そして、出てきた答えが自分のケースに当てはまるのか、結局は確信が持てないまま会計ソフトへの入力をとりあえず済ませてしまいます。

これは、判断の基準が自分の中に積み上がっていないサインです。ソフトは勘定科目の候補は出しますが、「あなたのこの支出を経費として認めていいか」は判断できません。やっかいなのは、グレーな判断を一度やると、翌年も同じやり方を踏襲してしまうことです。自己流の判断が積み重なり、もし税務調査でその基準が否認されれば、過去にさかのぼって追徴・加算税というかたちで返ってきます。「毎回ググっている」「AIにいつも質問している」というのは、裏を返せば毎回ゼロから判断し直していて、正しい型が手元に無いということです。

サイン2:利益は出ているはずなのに、口座にお金が残らない

帳簿の上では黒字。なのに通帳の残高は思ったより少ない。「儲かっているはずなのに、なぜか常にお金が足りない感じがする」。この感覚は、数字を入力できてはいても、正確に「読めていない」サインです。

理由はいくつか考えられます。受託開発のように着手金や前受金を先にもらい、外注費を先に払うビジネスでは、利益と現金のタイミングが大きくずれます。借入の返済(元本は経費になりません)、半年〜1年後にまとめて来る納税、売掛金の回収待ちなど、どれも「利益は出ているのに現金が無い」状況を生みます。

また、「使ったお金=経費」とは限らないという点にも注意が必要です。例えば40万円以上のサーバーやPCは、買った年に全額が経費になるわけではなく、減価償却として数年に分けて少しずつ経費になります。50万円を払っても、その年に落とせる経費は一部だけ。手元の現金は減っているのに、帳簿上の利益は大きく残り、その利益に課税されることになります。これが「現金は無いのに税金は高い」という、もっとも理不尽な正体です。ほかにも「自宅作業だから家賃は全額経費」「借入の返済は経費になる」といった思い込みもよく見られ、これらが利益と現金のズレを大きくする要因です。

サイン3:決算・確定申告の数字が「毎年なんとなく」出てくる

1年分を会計ソフトで入力し終えて、ソフトがはじき出した申告の数字を、内容をよく分からないまま提出していると、去年と比べて税額が増えたのか減ったのか、なぜそうなったのかを自分の言葉では説明できません。

ここが一番危険な状態です。記帳は毎月の慣れた作業ですが、本当に重要な判断は年に一度の決算・確定申告のタイミングにしか出てきません。消費税を納める側になるかどうかの課税判定、インボイス登録の損得、高額な機材を一括で経費にするか減価償却するか、(法人なら)役員報酬をいくらに設定するか。これらは月次の入力には出てこない視点でありながら、金額のインパクトは桁違いです。これらの判断を誤ったり、選択肢があること自体を知らずに放置したりすると、納める税額が数十万円単位で変わることも珍しくありません

3つのサインに共通する正体は「判断を確認する相手がいない」こと

3つに共通しているのは、「入力はできているが、その判断が正しいかを確認する相手がいない」という一点です。裏を返せば、記帳のやり方そのものは間違っていないことが多いかもしれません。

そしてやっかいなのは、自分ひとりでは「判断が間違っている」ことに気づけない点です。間違った経費の判断も、会計ソフトはエラーを出さずに受け付けてしまいます。比較する相手も、フィードバックをくれる相手もいないので、何年も同じズレに気づかないまま走り続けてしまいます。

「丸投げ」か「全部自分」かの、二択ではない

ここで多くの人が、「じゃあ税理士に全部丸投げするしかないのか」と考えます。でも、それは不要なコストになることもあります。日々の入力作業は、いまや会計ソフトでかなり効率化されているからです。作業そのものは、コストを抑えたい場合、ご自身で続けたほうが合理的です。

問題は作業ではなく判断の部分です。だとすれば、必要なのは「全部やってもらう」ことではなく、判断の要所だけプロが確認する仕組みです。日々の記帳は自分、判断と最終確認はプロが実施する。この「ここまでは自分で、ここからはプロに」という線引きこそが、3つのサインを根本から消す方法です。

相談するのは「判断」のところだけでいい

1つでも当てはまったとしても、いますぐ税理士を探して顧問契約を結ぶ必要はあるのかというと、実はそうではありません。

大前提として、記帳をやめる必要も、全部を誰かに預ける必要もありません。必要なのは、「入力」ではなく「判断」のところだけを確認してもらうことです。3つのサインには、それぞれ以下のようにして対処できます。

サイン 税理士に相談して決めること
サイン1
経費の判断に迷う
経費にしていいもの・いけないものの「型」を、一度決めてもらいましょう。 基準が定まれば、翌年以降の入力で迷わなくなります。
サイン2
利益と現金が合わない
利益と資金繰りを定期的に一緒に確認し、納税分を含めた 「手元に残るお金」を先に把握しておきましょう。
サイン3
年に一度の判断に迷う
決算・確定申告の前に、消費税・インボイス・減価償却・役員報酬など、 年に一度発生する重要な判断を相談しましょう。

気になる費用は?スポットと顧問契約、それぞれの目安

「相談だけ」と言っても、いくらかかるか分からなければ動けません。一般的な目安として、税理士へのスポット相談は1回5,000円〜3万円程度、確定申告書の作成のみをスポットで依頼する場合は5万〜15万円程度、顧問契約は個人事業主で月1万〜3万円、法人で月2万〜5万円程度が相場とされています(事務所や業務範囲によって異なります)。

つまり、サイン1〜3の「判断の確認」だけであれば、年に数回のスポット相談で足りるケースも多く、顧問契約よりずっと小さいコストで不安を解消できる可能性があります。
参考までに、plusC会計事務所の料金体系については、料金案内をご覧ください。

 

そして、ここが一番ハードルを下げるポイントです。いきなり全部を頼む前に、まずは無料の初回相談で、いまの帳簿やビジネスの状況を一度プロの目で見てもらうことをおすすめします。
健康診断と同じで、まず現状を診てもらえば、何をどのように直せばいいのかがはっきりします。

plusC会計事務所でも初回相談は無料です。
その場で具体的なアドバイスを持ち帰っていただき、必要な分だけスポットで頼むのか、顧問税理士として継続的にお願いをするのかをご検討いただけます。実際のご支援の様子は支援事例でもご紹介しています。

すべてを丸投げする必要はありません。自分で出来るところは続けながら、要所だけプロにお願いをすることで、自分でこれまでやってきた人にとっては一番ムダのない税理士の活用方法だと考えます。

よくあるご質問

できます。記帳代行を含む「丸投げ」だけが税理士の使い方ではありません。経費判断の基準づくり、決算・確定申告前の相談など、判断が必要な場面だけスポットで依頼する方法があります。

決算・確定申告の直前では選択肢が減っていることがあります。個人事業主なら年内(10〜12月)、法人なら決算日の2〜3か月前までに一度相談すると、打てる手が多い状態で判断できます。インボイスや消費税の課税判定が絡む場合は、さらに前倒しで動いたほうが安全です。

ソフトが保証してくれるのは「集計の正確さ」までです。経費にしてよいかの判断、資金繰りの読み、年に一度の税務上の選択は、ソフトではなく人の判断が必要な領域です。この記事の3つのサインに当てはまるかどうかで判断してみてください。

まとめ

3つのサインは、記帳の出来不出来を採点するものではありません。「自分の判断を確認してくれる相手がいるか」を測るものです。1つでも当てはまったなら、足りないのは記帳のスキルではなく、確認の仕組化です。

記帳は、これからも自分で続けて構いません。変えるべきは「全部ひとりで抱える」という前提だけです。経費の判断、資金繰りの読み方、年に一度の大きな選択など、この要所にプロの目が一度入るだけで、毎月続けてきた入力作業の意味がまるごと変わります。

数字に確信が持てないまま走り続けるのか、プロの手を借りて重要な数値を確認できる状態にするのか。まずは、いまの不安がどのサインに当てはまるかを一つ書き出してみることから始めてみてください。

記事の監修

plusC会計事務所

代表税理士 平川 太郎

経営とは、ヒト・モノ・カネ・情報を掛け合わせながら価値を生み直し続ける“終わりなきプロジェクト”という考えのもと、企業の持続的な成長を支援。
5つの“+C”(Consulting・Creative・Competition・Cash・Combination)を理念に、経営判断に必要なデータ分析や資金繰り支援、デジタルツールを活用した効率化サポートを行う。

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