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税理士の変更はいつがいい?乗り換えのタイミング・断り方・引き継ぎのポイントを解説

「顧問料の値上げをきっかけに、依頼先を見直したくなった」

「相談しても聞きたいことが解決せず、気を使って終わってしまう」

「データで渡せる明細を、毎回印刷して郵送するのが負担になっている」

税理士の変更を考える背景には、こうした日々のやり取りで感じる悩みがあります。ミスが重なって不安になったり、自分の業種や仕事の進め方を、もう少し理解してくれる人に相談したいと感じたりすることもあるでしょう。

ただ、「ほかの税理士を探そうかな」と思っても、今の税理士にどう伝えるか、途中で変えて申告に支障が出ないか、預けた資料をきちんと引き継げるかが気になり、動き出せない方もいるのではないでしょうか。

乗り換えを進めるには、変更するタイミング、今の税理士への伝え方、資料の引き継ぎを整理しておくことが大切です。この記事では、主に法人の経営者に向けて、税理士を変更する際の判断のポイントと、具体的な進め方を紹介します。

税理士の変更は「決算後」がいい?待つ前に確認したいこと

決算・申告後は区切りがよいが、相談まで待つ必要はない

今の税理士に決算・申告までお願いし、その業務が終わったところで切り替える方法は、担当範囲を整理しやすい選択肢です。

ただし、契約を切り替える日と、次の税理士に相談を始める日は、同じである必要はありません。

申告が終わるまで何も動かずにいると、そこから新しい税理士を探し、契約条件を確認し、資料をそろえることになります。その間にも、新しい事業年度の経営判断は必要です。

変更を考え始めたら、まずは契約内容と現在の記帳状況を確認し、次の相談先を探しておくと、切り替えの選択肢を持ちやすくなります。

待っている間に、翌期の役員報酬の相談時期を逃すことも

plusC会計事務所で乗り換えの相談を受ける際にも、気をつけているのが翌期の役員報酬です。

例えば、3月決算の会社が5月に申告を終え、そこで初めて変更を申し出たとします。仮に契約上、3か月の解約予告期間が必要で、終了日が8月末になれば、新しい税理士が本格的に関わる頃には、翌期がかなり進んでいます。

役員報酬を税務上の経費にするための「定期同額給与」では、通常の改定は原則として会計期間の開始から3か月以内などの要件があります。職務内容の重大な変更などによる改定や、著しい業績悪化による減額などの例外はありますが、後から自由に見直せるわけではありません。〔国税庁掲載の令和7年4月1日現在の法令等に基づく〕

国税庁:役員に対する給与

「今年は売上の見込みが変わるので、役員報酬も相談したい」という場合は、契約終了を待たずに、次の税理士を探し始めましょう。初回相談で決算月と相談したい内容を伝え、役員報酬を検討する時期に間に合うように対応できるか、確認しておくことが大切です。

決算が近くても、税理士を変更できる?

今期の決算や翌期の計画から新しい税理士に相談したい場合、期中や決算前の切り替えも検討の対象になります。

例えば、今の税理士との相談が進みにくく、決算に向けた打ち合わせに不安がある場合です。今期の決算から新しい税理士に依頼すれば、事業の状況を把握してもらったうえで、翌期の役員報酬や事業計画の相談につなげやすくなります。

ただし、直前の変更では、過去の処理を確認する時間や、資料をそろえる時間が必要です。次の点を新しい税理士に伝えて、対応できるか確認しましょう。

  • 決算・申告まで、どれくらい時間があるか
  • 記帳が何月分まで終わっているか
  • 申告書や会計データをいつ受け取れるか
  • 今期のうちに相談・対応してほしいことは何か

決算前の切り替えには、今期の決算から翌期の相談へつなげやすい利点があります。引き継ぎに必要な時間を確保できるかも含めて、新しい税理士と判断しましょう。

今の税理士に伝える前に、契約条件と切り替え日を整理する

解約予告期間と、最後にかかる顧問料・決算料を確認する

変更を決めたら、まず顧問契約書を確認します。見ておきたいのは、解約を何か月前に申し出る必要があるか、契約更新の条件、終了時の費用です。

月々の顧問料だけでなく、決算料や未完了の作業に対する精算についても確認しておきましょう。新旧の契約期間によっては、費用が重なることもあります。

予告期間や費用の扱いは契約によって異なります。契約書だけでは判断できない箇所は、事務所に確認してから終了日を調整してください。

今期の決算・申告の担当を、新旧それぞれの税理士に確認する

新しい税理士の受け入れが決まらないうちに解約を進めると、必要な業務を任せる先がなくなるおそれがあります。まず新しい税理士に、希望する時期と業務への対応が可能か確認しましょう。そのうえで、今の税理士とも契約終了日や最後までお願いする業務、費用の精算について調整し、担当範囲を確定します。

特に整理したいのは、次の担当範囲です。

確認する業務決めておくこと
毎月の記帳何月分まで今の税理士に任せるか
今期の決算・申告どちらの税理士が担当するか
翌期の役員報酬・業績の相談いつから、誰に相談するか
期限のある届出や手続き未対応のものはないか、誰が対応するか

先ほどの3月決算・5月申告の例では、申告を終える時点で、すでに4月から翌期が始まっています。「申告が終わったら交代」という説明だけで済ませず、業務ごとに担当を確認すると、認識のずれを防げます。

税理士への断り方は?変更理由と終了希望日を簡潔に伝える

相談体制や業種への理解など、見直したい点を事実に沿って伝える

税理士の変更は、事務所の優劣だけで決まるものではありません。事業の状況が変わり、必要な相談内容や、合うやり取りの方法が変わることもあります。

例えば、業種に詳しい人に相談したい、資料をデータで提出したい、経営の相談を増やしたい、といった理由です。今の税理士への不満を一つずつ並べるより、今後どのような体制にしたいかを簡潔に伝えると、意図が伝わりやすくなります。

伝え方の一例は、次のとおりです。

これまでご対応いただき、ありがとうございます。今後の相談体制を見直すため、顧問契約を○月末で終了したく、ご連絡しました。契約終了までの対応範囲と最終のご請求、資料の返却について確認させてください。

終了希望日は契約条件を踏まえて記載し、理由は実際の事情に合わせましょう。

料金以外が理由なら、値下げの話だけにしない

本当は相談のしにくさや資料提出の負担に悩んでいるのに、伝えやすいからと「料金が高いので」と説明すると、値下げによる継続を提案されることがあります。

料金が唯一の問題であれば、条件の見直しによって解決するかもしれません。一方、相談体制を変えたい場合は、料金が下がっても悩みが残ります。

伝える前に、「何が変われば、今の税理士に引き続きお願いできるのか」を整理してみてください。それが難しいのであれば、変更したい理由を料金だけに置き換えない方が、話の行き違いを減らせます。

終了希望日と、資料返却の依頼を記録に残す

電話や面談で話した場合も、決まった内容はメールなどで確認しておくと安心です。

契約の終了日、最後までお願いする業務、資料の返却予定を残しておけば、後から確認できます。返却してほしいものは「資料一式」だけで済ませず、新しい税理士に必要なものを確認したうえで、一覧にして依頼しましょう。

税理士変更の引き継ぎに必要な書類・データは?

領収書・請求書に加え、申告書・届出書の控えもそろえる

引き継ぎでは、自分が預けた資料のほかに、税理士が作成・提出した書類も必要です。手元に控えがあると思っていても、一部がそろっていない場合があります。

次の表をたたき台に、必要な年度や範囲を新しい税理士に確認してください。

主な資料確認したい点
領収書・請求書など預けた原本が返却されているか
決算書・申告書の控え別表や添付書類もそろっているか
税務関係の届出書の控え何をいつ届け出たか確認できるか
電子申告の受信通知提出した内容と受付結果を確認できるか
電子申告のログイン情報利用者識別番号・利用者IDとパスワードがそろっているか
総勘定元帳・仕訳帳・試算表必要な期間と最新の処理状況がわかるか
給与・年末調整などの資料任せていた業務に応じて引き継げているか

会計データは、どんな形式でもらえばいい?

会計資料は、受け取る形式によって、その後の作業が変わります。

紙やPDFの元帳でも内容は確認できますが、仕訳データなどを取り込めれば、再入力の手間を減らせる場合があります。plusC会計事務所でも、引き継ぎの際には、利用できるデータがあるかを確認しています。

ただし、CSVであれば何でもそのまま使えるわけではありません。会計ソフトや出力項目によって、加工が必要になることもあります。

今の税理士には「どの形式で出力できるか」、次の税理士には「どの形式なら利用できるか」を確認しましょう。データで受け取れない場合も、手元の資料で何ができるか、追加の作業や費用が必要かを相談できます。

e-Tax・eLTAXの利用者情報と設定を引き継ぐ

電子申告を任せていた場合は、e-Taxの利用者識別番号やeLTAXの利用者IDなども確認が必要です。

日本税理士会連合会は、税理士交代時のルールとして、利用者識別番号等の引き渡しに加え、暗証番号の変更、旧税理士のメールアドレスの抹消、メッセージボックスの転送に関する委任関係の解除などを案内しています。

日本税理士会連合会:税理士交代時のルール

番号やパスワードを受け取るだけで終えず、変更後の管理方法や設定も、新しい税理士と確認してください。

資料の「渡した・返していない」を防ぐには?

資料の一覧と受け渡し日を残す

資料のやり取りでは、「渡したつもりだった」「返却済みだと思っていた」という行き違いが起こることがあります。

plusC会計事務所では、郵送で届いた資料を広げて写真を撮り、受領日とともにクラウドに保管しています。返却する際も同様に記録し、いつ、何を受け取り、何を返したかを確認できるようにしています。

税理士を変更する際も、資料の一覧と受け渡し日を残しておくと、不足があったときに探しやすくなります。データの場合は、保存場所や対象期間も合わせて確認しておきましょう。

不足があれば返却予定を確認し、解決しない場合は相談する

資料が足りない場合は、まず書類名や対象期間を具体的に伝え、手元の保管状況も確認します。そのうえで、いつ受け取れるかを相談してください。

申告などの期限が近ければ、不足しているものを新しい税理士にも共有し、代わりの資料で対応できるかを確認します。

資料を返してもらえないなど、当事者間での解決が難しい場合は、相手の税理士が所属する税理士会や地域の支部へ相談してみましょう。神奈川県の場合は東京地方税理士会、三浦市周辺の場合は同会の横須賀支部が相談先となります。まずは困っている状況やこれまでのやり取りを伝え、対応方法について相談することから始めてください。

まとめ:税理士の乗り換えは、今期の申告と翌期の相談をつなぐ準備から

税理士を変更するときは、契約の区切りに加えて、これから相談したい内容にも目を向けてみてください。

今期の決算を誰に任せるか。翌期の役員報酬や業績の見通しを、いつ相談するか。そのうえで契約条件と引き継ぐ資料を整理すると、自社に合う乗り換えのタイミングを考えやすくなります。

plusC会計事務所では、税務顧問に関するご相談を受け付けています。今の税理士との契約を見直したい方は、現在の状況と、今後相談したいことをお聞かせください。初回面談は無料です。

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記事の監修

plusC会計事務所

代表税理士 平川 太郎

経営とは、ヒト・モノ・カネ・情報を掛け合わせながら価値を生み直し続ける“終わりなきプロジェクト”という考えのもと、企業の持続的な成長を支援。
5つの“+C”(Consulting・Creative・Competition・Cash・Combination)を理念に、経営判断に必要なデータ分析や資金繰り支援、デジタルツールを活用した効率化サポートを行う。

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